只今必死に準備中!第1弾のアルクトゥルスを年内に販売開始できるよう頑張っております!(プリントの関係で、予約販売になる可能性もあります)星の世界をもっと身近に!ぜひご期待くださいませ!!
完売御礼
黒衣の柔和な女神
レトー
~浮島で神を産んだ地母神~
(ギリシア神話)
レトーは、オリュンポス神族から見ると敵のティターン神族コイオスとポイベの娘です。レトー自身には、戦闘能力はなく覇権争いにも参加しなかったため、ティターン神族でありながら罪に問われることのなかった、例外の女神でした。
(このあたりの事情に関しては、本ページ下部に。↑クリック)
そして、敵族でありながら、オリュンポス神族の主神ゼウスに愛されます。身ごもったレトーでしたが、ゼウスの正妻ヘラに「陽のあたる場所では出産できない」(もしくは、「陸地では出産できない」など、諸説あり。)という呪いをかけられます。(ヘラは、「レトーの子はヘラの子よりも偉大な神となる」という予言を、聞いていたため、何としても出産を止めたかった。)
臨月が来たレトーは、ギリシアにやってきましたが、ヘラの呪いによって、出産できる場所を見つけることができません。他の神々も、ヘラの怒りを恐れて、手を貸すことをためらっていました。レトーは、ギリシア中を放浪し、心身ともに疲れ切ってしまいました。
陸地で出産することをあきらめたレトーは、海に向かい、ゼウスの兄弟で海の神ポセイドンに助けを乞います。
海神ポセイドンは、海中に沈んでいた島を持ち上げ浮島にし、波を立て水の天蓋を施しました。1頭のイルカを迎えに出し、その浮島にレトーを迎えます。(沈んでいた島で陽があたったことのない場所のため、ヘラの呪いが効かなかった。)(浮島は陸ではないため、ヘラの呪いが効かなかった。)
やっと安息を得たレトーでしたが、陣痛が来ても出産できません。ヘラが、自分の娘である出産の女神エイレイテュイアに、レトーのところへ行くことを止めさせたためでした。
陣痛は九日九夜続きました。苦しむレトーを見て、他の女神たちが同情します。女神たちは、エイレイテュイアに高価な贈物をする約束をし、虹の女神イリスが、ヘラに見つからないようにエイレイテュイアをレトーの元へやりました。
こうしてレトーは、やっと出産することができました。そして、生まれた二人の子アポロンとアルテミスは、予言通り、ヘラの子よりも偉大な神となりました。
William Henry Rinehart (1825–1874)[Latona and Her Children, Apollo and
Diana](ラートーナと彼女の子供たち アポロとディアーナ)© Ad Meskens / Wikimedia Commons
注釈:題名は、ローマ神話での神名 ラートーナは、ギリシア神話で言うレトー。※1
敵族であったティターン神族の娘レトーが、オリュンポス12神であるアポロンとアルテミスを産むことができたのは、元々、小アジアの地母神であったことと、覇権争いに加わらなかったこと、柔和な性格と深い愛情によるものだと考えます。
多くの困難を、神々に助けてもらい乗り越えて、偉大な神を生み出した女神。
それが、レトーです。
作品には、
柔和な女神のイメージと
レトーの出産と関わりの深い、
海のイメージを。
深海を思わせるようなダークブルーのマーキスシェルは、海とイルカのイメージ。
淡いホワイトのスクエアシェルとアメジストで、浮島のイメージを。
レトーは「黒い衣の乙女」とされることに因んで、黒いラインストーンのロンデルを選びました。
アメジスト(紫水晶)は、「愛の守護石」「謙虚の石」「心の平安」を意味するカラーストーンです。
ダークブルーカラーシェルのシックなイヤリング・ピアス1(完売)
大粒と小粒(12mmと4mm)のアメジストをホワイトシェルのチューブでつないだ印象的なイヤリング・ピアス2
レトーの側にはいつも、
二人の偉大な神
アポロン(太陽)とアルテミス(月)がいます。
女神レトーが、
柔和な性格と深い愛情を持つ
きっかけを作ってくれるでしょう。
ネックレス
サイズ:長さ約38.5~42.5cm トップのスクエアシェルの大きさ 1辺約15mm アメジストの大きさ トップ約8mm/サイド約4mm
素材:ダークブルーカラーシェル・ホワイトシェル・天然石(アメジスト)・金属(真鍮にメッキ)・ガラス・テグス・樹脂
留め具:カニカン(ナスカン)+アジャスタ ジュエリーボックス付き
完売しました。
イヤリング・ピアス
サイズ:約4cm(丸カン含む、イヤリング・ピアス金具含まず)アメジストのサイズ 1:約4mm玉 2:約4mm玉と約12mm玉
素材1:ダークブルーカラーシェル・アメジスト・金属(真鍮にメッキ)・ガラス
素材2:アメジスト・ホワイトシェル・金属(真鍮にメッキ・ピアスポスト部はステンレスにメッキ加工)・ガラス・樹脂
イヤリングはネジバネ式 ピアス1:フック式 ピアス2:スタッド&キャッチ式
1完売/2残り僅か
参考文献
高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店
高平鳴海&女神探求会『女神』新紀元社
山北篤監修『西洋神名事典』新紀元社
レトーのお話に必要な、ギリシア神話の世界形成期(原始~オリュンポス確立)の神族関係を大雑把にご案内。
*いずれのお話も、神話や神々の解釈には諸説あります。*
ここでは、私の独断と解釈で、適当に説を選びつなぎ合わせたり省略しています。 あらかじめ、その点をご承知いただきいただければ幸いです。
■ギリシア神話における世界の形成■
~オリュンポスに至るまでのストーリー~
1、ティターン巨神族 ウラノス神の時代
最初に、カオス(空虚)※2があり、次に、ガイヤ女神(大地) が現れました。ガイヤはウラノス神(天)を生み、ガイヤとウラノスは交わり、様々な神々ティターン巨神族を生み出しました。子供の中でも異形の神々を、醜さゆえに冥界タルタロスへ幽閉したウラノス。それを怒ったガイヤは、子供たちに父親へ復讐するよう呼びかけ、末子クロノス神が、ガイヤの大鎌でウラノスの男根を切り落とし王権を奪いました。この時、父ウラノスは息子クロノスに「お前も自分の息子に王位を奪われるだろう」と予言します。
※2 カオス:現代は「混沌」と訳されますが、神話上では恐らく「空虚」の意?
2、ティターン巨神族 クロノス神の時代
新たな王となったクロノスでしたが、ウラノスの予言を恐れ、妻レアー女神との間に生まれてくる子供を次々飲み込んでしまいます。それを怒ったレアーは、末子ゼウスをガイアに託し、ゼウスの代わりに、産着で包んだ石をウラノスに飲ませました。
成年したゼウスは、父クロノスに反旗を翻します。まず、父クロノスに薬を飲ませ兄弟姉妹たちを吐き出させました。そして、ゼウスと兄弟姉妹たちは、クロノスとその兄弟姉妹たち=ティターン巨神族を倒しゼウスが新たな王となりました。
3、オリュンポスの時代へ
新たな王ゼウスのもと、オリュンポス山の山頂に主要な神々が集いました。神食(アムブロシアー)を食べ、神酒(ネクタル)を飲み、不死である神々の園オリュンポス。ティターン神族を倒したゼウスの兄弟姉妹と、ゼウスの子からなる「オリュンポス12神」(もしくは単に12神)たちが、世界の秩序について語り合い、決定していく働きにつきました。
ギリシア神話は、このオリュンポスの時代から、人間との関り・英雄伝説・戦争などストーリーが展開されていきます。
ギリシア神話における主要な神12柱
ヘスティアーとディオニュソスは説により入れ替わるため、13柱あります。
☆:クロノスとレアーの子すなわち主神ゼウスの兄弟姉妹
◆:ゼウスの子
主に担う働き | ||
---|---|---|
ゼウス | ☆ | 主神・天空神 |
ヘラ | ☆ | 主女神・ゼウスの正妻 女性・結婚・子供の守護 |
アテナ | ◆ゼウスとメティス(ヘラの前の正妻)の子 | 知恵・工芸・戦争(戦略) |
アポロン | ◆ゼウスとレトーの子 | 芸術・音楽・医療・予言・太陽 |
アフロディーテ | ウラノス神の切り落とされた男根より生じた説 ◆ゼウスとディオーネの子の説 諸説あり |
愛欲・美 |
アレス | ◆ゼウスとヘラの子 | 戦争(狂気・厄災) |
アルテミス | ◆ゼウスとレトーの子 | 狩猟・森林・純潔・月 |
デメテル | ☆ | 農耕・大地 |
ヘーパイストス | ヘラの単独出産 (◆一応ゼウスとヘラの子) | 鍛冶 |
ヘルメス | ◆ゼウスとマイアの子 | 伝令・旅人や商人の守護 |
ポセイドン | ☆ | 海の神 |
ヘスティアー | ☆ | かまどの神・家庭生活の守護 |
ディオニュソス | ◆ゼウスとセメレーの子 | 酒神 |
ヘラの子は、アレス(戦争・狂気・厄災)とヘーパイストス(鍛冶)です。
レトーの子は、アポロン(芸術・音楽・医療・予言・太陽)とアルテミス(狩猟・森林・純潔・月)です。
この表を見ても、「レトーの産んだ子は、ヘラの子よりも偉大な神になる」という予言をヘラが執拗に気にしたことがわかります。
嫉妬深いことで有名な怖いヘラですが、とても素敵な伝説や深い話があり、いつかは、ヘラをテーマに制作したいと思っています。
※1 ローマ神話との神名対照
ギリシア神話 | ローマ神話 | |
---|---|---|
レトー | → | ラトーナ |
アポロン | → | アポロ |
アルテミス | → | ディアーナ |
完売御礼